登録販売者とはどんな資格？仕事・給料・将来性を徹底調査！

こんな疑問にお答えします。

この記事を読むと、登録販売者がどんな資格なのか全体像が分かるようになりますよ。

よくある質問などもまとめているので、ぜひ最後までご覧ください！

登録販売者とは？

一般用医薬品（OTC医薬品）に関する一定の知識と経験を持つ資格のことで、2009年に導入された「登録販売者制度」によって誕生しました。

登録販売者の資格を取って一定の条件を満たすと、一般用医薬品の第二類、第三類医薬品を販売できるようになります。

登録販売者の仕事は医薬品の販売だけではなく、下記のような業務を行うこともあります。

✅ 医薬品の適切なアドバイス（お客様の症状に合った薬の提案）
✅ 店舗での管理業務（医薬品の陳列・発注・在庫管理）
✅ 品出しやレジ打ちなどの店舗業務（企業や職種により異なる）

登録販売者と薬剤師の違い

登録販売者と薬剤師はどちらも医薬品を扱う仕事ですが、下記のような違いがあります。

項目	薬剤師	登録販売者
取り扱いできる医薬品	処方箋医薬品＋一般用医薬品すべて	第二類、第三類医薬品のみ
調剤業務	可能	不可
主な勤務先	薬局、調剤薬局、製薬会社、ドラッグストアなど	ドラッグストア、ホームセンター、薬局など
資格取得の条件	6年生の薬学部を卒業し、国家資格に合格する	登録販売者試験に合格後、実務などの研修期間を終える

登録販売者は国家資格ではない

登録販売者は国の国家資格一覧に載っておらず、国家資格とは言えません。

ただし、総務省が発表している“国の資格制度一覧”には登録販売者がしっかりと記載されていますので、国の公的資格であることには間違いありません。

 国の国家資格制度一覧とは

国が法令、告示、通達等に基づき、一定の業務に従事する上で必要とされる専門的知識、技能等に関す る基準を設け、国、地方公共団体等がその基準を満たしていると判定する者について、当該業務への従事、 法令で定める管理監督者等への就任若しくは一定の称号の使用を認める制度又は専門的知識、技能等を有する旨を単に証明する制度。　引用元：総務省/国の資格制度一覧

登録販売者の資格を活かせる仕事

登録販売者の資格を活かせる仕事には、たとえば下記のような業種があります。

一般用医薬品は薬剤師もしくは登録販売者がいないと販売できないため、特にドラッグストアや医薬品を扱うホームセンターでは登録販売者が重宝されています。

登録販売者の給料、待遇

登録販売者の給料を雇用形態別にまとめてみました。

雇用形態	月収の目安	年収の目安	特徴
正社員	18万円～30万円	200～500万円	賞与、昇給あり
パート	時給1,000円～1,500円	100万円～200万円	昇給がある場合も

正社員は月収20万～30万円程度 が一般的で、待遇は 勤務先や経験年数によって大きく異なる という特徴があります。

店長やエリアマネージャーなどの管理職になれば年収500万円以上も十分に可能です。

「給料思ったよりも低いな～」と思った方もいるかもしれませんが、登録販売者には昇給やキャリアアップのチャンスがたくさんあります。

経験を積み、スキルを磨き、管理者要件を満たして昇進・昇給を目指しましょう。

現役登録販売者のリアルな仕事内容

最初にちらっと触れましたが、登録販売者の仕事は医薬品の販売だけではありません。

ここではドラッグストアで登録販売者として働く私のリアルな仕事内容を2つご紹介します。

品出しや棚替えなどの店舗業務

店舗業務には、たとえば次のようなものがあります。

業務内容は日によって違いますが、店舗業務のときは医薬品の接客はほとんどありません。

もしあるとしたら、お客様に尋ねられたときくらいです。

医薬品接客、販売

店舗業務のときと逆で、医薬品コーナーを担当する日は店舗業務はほとんどありません。

その代わりに医薬品の接客がメインとなります。

登録販売者試験とは？

登録販売者として働くには、まず登録販売者試験に合格する必要があります。

試験の主な特徴は次の通りです。

・出題範囲が広い（医薬品の成分、効果、副作用、法律など）
・合格基準は全体70％以上かつ各分野で一定の得点が必要
・出題範囲は全国共通だが、難易度は各都道府県でバラつきがある

そして試験科目は次の5つに分かれています。

	配点	内容
1章：医薬品に共通する特性と基本的な知識	20点	体の仕組みや薬の働き
2章：人体の働きと医薬品	20点	消化器、呼吸器などの基礎知識
3章：主な医薬品とその作用	40点	風邪薬、鎮痛薬などの成分など
4章：薬事関連法規	20点	医薬品を販売するときのルール
5章：医薬品の適正使用と安全対策	20点	副作用や安全性管理

ものすごく範囲が広いので、1つ1つの理解を深めるというよりも、広く浅くいかに効率よく覚えるかが合格のカギになります。

独学でも合格できる試験ですが、過去問演習・テキスト学習・模擬試験をバランスよく取り入れて計画的に学習を進める必要があります。

登録販売者試験の受験資格、難易度

登録販売者試験には受験資格はありません。（以前は実務経験などの条件がありましたが、現在は廃止されています。）

難易度としては、独学でも計画をしっかり立てて勉強すれば十分に合格できるレベルです。

実際に私も市販の参考書で勉強して独学で一発合格できました。

ただ、繰り返しになりますが範囲が広くて勉強がものすごく大変なので、独学での勉強は覚悟が必要です…！

登録販売者試験の合格率

登録販売者試験は地域や都道府県ごとに合格率発表されるので、2024年度の合格率を少し調べてみました！

 2024年度の受験者数、合格者数、合格率

都道府県	受験者数	合格者数	合格率
北海道	1,553名	967名	62.3％
首都圏（東京、埼玉、千葉、神奈川）	12,138名	5,642名	46.5％
中国（鳥取、島根、岡山、広島、山口）	3,907名	2,086名	53.4％
福岡	4,019名	1,242名	30.9％

同じ年度の試験なのに、合格率のバラつきが大きいですよね。

この合格率からも、「しっかりと準備すれば合格できるが、甘く見ると不合格になる」というレベルの試験であることがわかるかと思います。

登録販売者に向いている人の特徴3つ

実際に登録販売者として働いていて「こんな人が向いているだろうな～」と思う特徴が、次の3つです。

人と接するのが好きな人

人と接するのが好きな人は登録販売者に向いています。

理由は、登録販売者の仕事はただ薬の提案や説明をするだけではないからです。

相手の話をよく聞き、コミュニケーションを取りつつ適切なアドバイスをする力 が求められます。

例えば、お客様から以下のような相談を受けたとします。

• 「風邪っぽいけど、どの薬を選べばいいかわからない」
• 「最近、疲れが取れないんだけど、何かいいサプリはある？」
• 「子どもでも飲める薬はありますか？」

このとき、 お客様から具体的な症状や生活習慣などを聞いて、適切な医薬品を提案しなければいけません。

そのため、ただ薬の知識があるだけではなく、 相手の話をしっかり聞き、わかりやすく説明するコミュニケーション能力 が必要になります。

学ぶ意欲のある人

学ぶ意欲のある人が登録販売者に向いている理由は次の3つです。

商品や法律についての知識をアップデートし続けるのはもちろん、接客では自分の知識不足を感じる場面がどうしても出てきます。

そこで「分からなかったからあとでしっかり調べよう！」といった学ぶ意欲が欠かせません。

知識が増えることで自然とお客様への提案もアップし、「この人なら信頼できる」とリピーターが増える ことにつながります。

責任感のある人

医薬品には必ず副作用や使用上の注意点 があり、誤った服用をすると健康被害につながる可能性があります。

そのため「売上を優先して推売品や粗利の高い商品ばかり売る」 のではなく、 お客様に合った適切な医薬品を提案し、生活をサポートする責任感 が求められます。

たとえばお客様から「とにかく安い頭痛薬をください」と言われた場合、あなたはどうしますか？

このような場合は値段だけで選ぶのではなく、症状や体調を確認して、お客様に合った医薬品を提案して納得して購入してもらう必要があります。

お客様に言われた通りのものだけを選ぶのではなく、医薬品を売るという責任感を持って接客をすることが大切です。

登録販売者に関するよくある質問2つ

ここでは、登録販売者に関するよくある質問2つについてお答えしていきます！

登録販売者はお客様の健康を支える重要な職業

今回のまとめです。

登録販売者は、一般用医薬品（OTC医薬品）の専門家として、地域の健康を支える重要な職業です。

ドラッグストアやスーパー、ホームセンターなど、登録販売者の需要は常にありますし、経験を積めば管理者や責任者としてキャリアアップする道もあります。

登録販売者試験は受験資格も年齢制限もありませんので、少しでも興味のある方はぜひこの機会に登録販売者への一歩を踏み出してみませんか？